ボランティア。このやっかいな人々
最終活動日を無事に終えることができました。
お世話になったボラセンの事務長さんを始め皆さんに挨拶して
受付ボランティアのおばちゃん達、全員に手を振って見送られながら
十日間8日の活動の思い出を胸にボランティアセンターを後に
しました。
最終日の活動でも失敗がありました。十人以上のボランティアを
休憩所から現場に案内しなければならないのに、ちょっと迷って
50mほど回り道をさせてしまいました。今回の全活動で何回目の
「すんません、すんません」でしょう。
さて、表題。数日前の昼休憩時でした。地元のボランティアMさんが、
その席にはいない防災士のネーム入りの服を着たNさんと自己主張の
強いYさんについて批判を始めました。その日はMさんがリーダーと
なっていましたが、Nさんが(防災士の肩書きを振りかざして)依頼者に
対して用命事項の中で優先順位はどうなっていますかと質問して
困惑させてしまってたことや、Yさんが家具を壊して運ぶべきだと強く
主張して曲げないなどの具体例を話しながらリーダーの指示を無視して、
それぞれが勝手に行動されたのでは、やっていられないとブチまけたのでした。
最初は、あいづちを打ちながら聞いてた私も、どんどんエスカレートする
Mさんの発言のスキをねらって「だいたい、ボランティアするという人って
変人だ。主張も強い。それが証拠に、まっとうな人間はボランティアなんか
しないよ」と、発言したのがウケて、そこにいた全員が大笑いしました。
さすがのMさんも振り上げた手のやり場に困って、「みんな変人」に賛同する
空気の中、Mさんの批判は腰砕けみたいになってしまい、だんだんと
元の雑談に戻っていきました。
今回、出会ったボランティアの中で、もっとも強烈な個性の持ち主は
Oさんで、ほとんど耳が聞こえないらしく、どんどん、マイペースで話を
進めて誰かが反応して発言しても聞こえないので、おかまいなく
自分の話を進めていきます。俺は貧乏で金がかかるのは嫌いだが
口癖で、ボランティア用にカップ焼きそばやカップうどんなどが用意されて
いるのを見つけると狂喜して、その場で喰う、持ち帰りをするという
傍若無人なところがありながら、周囲の者が嫌うどころか笑いながら
受け入れてしまう愛嬌も持っているのです。連発するお決まり
ジョークの中に時折最上級のジョークが放たれることがあり、常識
はずれが、一種の芸にまで昇華されているのです。Oさんの話に
なると誰もが笑いながら話す有名人でもあります。
マイペースでいろんなところで車中泊をしているので、ほうぼうで
職務質問を受けるらしく、私の駐めているところには一度もパトカーも
来なくて職質も受けたことがないよと教えると、三日ほど前から
私の隣で車泊しています。
私だって、県が定めたボランティア募集要項を完全に無視して
現地に入り込んでいるので迷惑ボランティアの一種なのですが
志賀町では受け入れてくれたので、ずっと、この町で活動してきて
います。
なぜ、県に背いてまで受け入れてくれているかが、ハッキリわかって
いるわけではありませんが、志賀町の前の町長が収賄で逮捕されて
辞任したので、これに伴う町長選で当選したのが今の町長です。
昨年の12月25日に初登庁をして新町長として働き始めて一週間ほどで
今回の地震に見舞われてしまったわけで若手町議などの支援を受けながら
町政を進めているようです。そんな町長だからこそ、県にさからったような
ボランティア受け入れがスンナリと通ったのではないかと想像しています。
私が活動を始めた十日前には当日受付組は4人ほどだったのが、今では
個性派揃いの10名超えが当たり前になってきています。今後は、さらに
増加していくと思いますし、他の市町村の中にも追随するところが出るのでは
ないでしょうか。