今週の水曜日に、DUNE/デューン 砂の惑星 (2021)を観に行きました。
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け (2019) 以来、劇場で
映画鑑賞するのは、約2年ぶりとなります。場内は、市松模様に
使用できる席が決まっていて前後左右に隣り合わないよう感染対策が
とられていました。
この映画を選んだのは、デューン/砂の惑星 (1984) において監督の
デイヴィッド・リンチが、ファイナル・カットの権利を有していなかった
ために、配給会社により大幅にカットされた不本意な状態で上映され、
興行的にも批評家の評価においても支持されず大赤字となってしまった
ようです。
しかし、私は、この映画が大好きなんですよ。たとえば、
↑↑↑ のシーン!!!私は悶絶するほど好きです。ぜひとも、画像を
クリックして拡大画面でご覧ください。強烈に憶えているシーンですが
どういうシーンかと言われると、さすがに40年近く昔に観た映画だし、
それよりも当時でもストーリーがよくわからなかったこともあって
自信がないのです。
今回の映画では、↑↑↑ のシーンにあたるのではないかと、密かに
思っていたのですが、調べて見ると、この昆虫系の生き物は、
スペーシングギルドのナビゲーターだったのかも。今回の映画には、
登場していません。このあたりを大胆に割愛したのでストーリーが
簡潔になったのでしょう。しかし、そのぶん作品としての重厚さを
損なってしまったということなんだと思います。
さて、今回の作品ですが、期待値には到底届きませんでした。それに、
上映時間 155分は、とてつもなく長い。まあ、これが長く感じなかったら
作品として成功しているんでしょうけど、最後の30分ぐらいは、ずっと
早く終わらないかなあって思ってました。でも、この作品にもいいところが
あって、前回、ストーリーがイマイチわからなかったのが、今回は、
単純明快、すごくよくわかりました。
デューン / 砂の惑星 (1984) の終盤の ↑↑↑ のシーンも、前後の関係が
よくわからず、なんで、こーなった?と当時は思ったのですが、今回、
全体図が簡明に語られていたので、2023 年 10 月に公開予定の続編で
このシーンにあたる場面が語られる可能性が高いと思ってます。
さて、今回の映画の評価ですが、単なる SF アクション映画であって、
前回の作品に感じたような叙事詩としての広がりは感じませんでした。
しかし、そのぶん、ストーリー展開は簡明で、わかりやすかったことは
評価できると思います。ただし、2023年の続編を観るかというと微妙です。
映像的には技術的な格差があるため、もう一回、前回の作品を見直す気に
なるには、特撮の稚拙さが邪魔しそうです。
原作の小説「デューン」は読んだことはあるのですが、この機会に
読み直すかと言われると、これまた微妙です。「デューン」の続編の
『デューン砂漠の救世主』(1969年)
『デューン砂丘の子供たち』(1976年)
『デューン砂漠の神皇帝』(1981年)
『デューン砂漠の異端者』(1984年)
『デューン砂丘の大聖堂』(1985年)
を読むことはないでしょう。
まして、原作者の息子とケヴィン・J・アンダースンとの共著で書かれた
11部作を読むことはありません。だって、そのうちの8部作は翻訳されて
いないようなんだもん。ムリムリ。
ちょっとだけ気になることが、ひとつあって、ハルコンネン家の男爵が
前作でも今回でも宙に浮かんでいるんですが、特に前作の男爵が
鞠のように空中を飛び交う様子は、倉橋由美子の「スミヤキストQの冒険」に
同様のシーンがあったような記憶があります。これを確かめるために
「スミヤキストQの冒険」をもう一度読む気にはなれません。しかし、
倉橋由美子作品のどれかを読んでみたいという気持ちが全然ないわけでは
ありません。ブルーベルベット(1986) は、いずれ機会をつかまえて
観てみようと思います。