復讐者に憐れみを (2002)

投稿者: | 2021年1月12日

途中まで観たところで、ん?これは、観たことがあるぞ?と気づきました。

Parasite (2019) に書いた

〝 また、容赦ない暴力シーンを描いたことで強く印象に残った韓国映画も
  ありました。タイトルは忘れましたが、両足首を深く切られた男が川の中で
  立ち尽くしていて流れ出る血で川が真っ赤に染まっていく絶望的なシーンは
  今でも忘れることができません。〟

の映画でした。「立ち尽くして」は、いませんでしたね。水深が胸まである川で

両腕を動かすことで、やっとバランスをとって立っている状態でした。しかし、

両足首からの多量の失血で、わりと早く死んでしまいます。あまりにも前半部分の

記憶がないので、ひょっとしたら、早送りで飛ばしてしまったのかも知れません。

当時は、ペ・ドゥナも、ソン・ガンホも知りませんからね。それに、想像通り

早送りの飛ばし見であれば、ストーリーが、わかるはずがありません。しかし、

主要な暴力シーンは、(多少の思い違いはあるものの)どれも、くっきりと

憶えていました。前回観た時期ですが、おそらく、1年半くらい前かと。

英語の字幕さえないものだったようで、これでは、ますます、ストーリーを

追えるはずが、ありません。しかし、飛ばし見であっても、秀作っぽいって

ことだけは感じたようで、そのように仕分けしてました。

ちょっとしたタイミングの違いや、偶然通りかかる人物や、出会ってしまった

悪意ある人間などで、凄惨な復讐の連鎖が起きてしまうというプロットは

さすがに、言葉が全くわからなければ、追えるものではありません。

今回は、言葉を拾って物語の大筋はわかったものの、まだ、いくつもの謎を

抱えています。しかし、この映画が秀作であることだけは間違いのない事実です。

殺すほうも、殺されるほうも、同情されるべき事情があり、殺す側が、

殺される側の事情を知らない(または知りたくない)ために起こる悲劇……

などという単純なものではありません。でも、たった、ひとつのボタンの

掛け違いさえなければ、少なくとも誰も死なずに済んだかも知れないという

神の眼を持たされた観客は、何をどうするのが正しいのか、わからないまま

置き去りにされてしまいます。それこそが、本質的な恐怖なのでしょうか。

ところで、映画の中で誘拐された少女がおもちゃの首飾りを欲しがり、

その子が肌身離さず持っている人形とだったら交換するという選択を

迫られて首飾りを選択しますが、空気人形 (2009)で、同じくらいの年の

幼い女の子が、おもちゃの指輪と人形を交換します。これって、是枝監督が

パク・チャヌク監督に敬意を表したシーンだと思いませんか。

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