私が、いつから、町内会役員をやっているか記録がないので定かでは
ありません。町内会関連のファイルの中で、一番古い日付のものが、
2007年1月のものなので、その時点では町内会役員をやっていたことに
なります。(私が役員になる前の町内会ではパソコンは利用されて
いなかったので目安のひとつとして使うことができます)先輩から
受け継いだ帳簿などをひっくり返したら、もう少し遡ることができる証拠が
見つかる可能性もありますが、町内会役員の中で最若手に数えられる
私でさえ、もう、14年以上役員をしていることが重要で、一度役員に
なってしまうと、20年とか30年とかという長きにわたって役員で
あり続けてしまうという事実が問題なのです。一度役員へのハシゴを
登らされてしまうとハシゴは外され、健康を失ったとか、認知機能を
疑われるほどの高齢になったとか、不祥事、喧嘩……つまり、平和的
かつ健康的に役員を退任することは不可能という町内会になってしまってます。
町内会の世帯数は、現在230世帯ですが、そのうちの60%以上がアパートや
ワンルームマンションなどの住人で、学生などの単身世帯比率が高く、
町内会では、これらの世帯を準会員として、昔からの戸建て住宅の住人の
正会員の半額ほどの町内会費を設定しています。町内会に属さないマンションが
一棟だけありますが、オーナーが元町内会会員だったり、町内に所在する
企業だったり、隣町に住んでる方だったりするので、町内会への理解があり
徴収できています。(熾烈な交渉をしたこともありますが)正会員の中にも、
町内で商売をしているだけで住まいは町外の方もいらっしゃいます。
町内で商売をしている関係で正会員になっていただいている方は、業種にも
よりますが、町内会の役員になっていただけることはレアケースとなります。
準会員は、規約上対象外と明記されているわけでもありませんが、町内会との
関わりが必要最小限となるので、そもそも、町内会役員になるという動機が
生じません。
現役世代が町内会の役員になるというのは、厳しいものがあります。役員候補が
豊富であれば、1年交代とか2年交代でまわしていくことができますが、
基本的に若者が出て行き高齢者が残されている人口空洞化現象が進んできた
地域で、都市部の便利さを求めて若者も住んでいるけどワンルームマンションが
せいぜいで、㎡ あたり60万円台の土地代と住居の建築代を払って一戸建てを
建てることができる現役世代って、なかなかいないと思うんですね。実際に、
そのようなケースは、ここ、十数年で2件しかありません。
町内会の役員の出番のひとつに葬式がありました。つい十年くらい前まで
葬式に参列するのは、亡くなった方の家族と親族と勤務先関係と近所の方という
構成が当たり前でした。近所方が出席するとなると受付に町内の役員が立たねば
ならず、葬式ですから平日だろうが週末だろうが友引以外は関係なしなので
受付をする役員が現役世代だと都合が悪くて、どうしても隠居世代が役員の
最適候補となってきました。しかも、女性は親の介護や孫の世話、家事など
現役世代とは、また違った意味で役員は男性であるほうが都合が良かった
という状況があります。
ところが、ホントに、この数年間に起きた変化ですが葬式に近所の人が
参列することが、事実上皆無になってしまい、家族の誰かが亡くなっても
近所の人には言わないで欲しいという人が多数派となってしまいました。
また、実質的な定年延長が、どんどん進んで、昔なら隠居世代に組み込まれる
世代が、いつまでも現役で隠居しないという社会になってきています。
長寿化が進むと老老介護が増え、介護期間が長期化して女性も介護から
解放されることが難しくなり、子ども世代は共稼ぎが当たり前で孫の世話から
逃れることもできず、役員候補として組み込むことは困難になってきています。
さて、このような状況の中、どうするかという問題に、やっと取り組み始める
ことになりました。