大島渚作品をもう一本くらい見ておこうと、御法度 (1999) を
何の予備知識もなく観ました。ところが、これが新撰組を舞台とした
衆道の話。キャスティングは、
近藤勇:崔洋一
土方歳三:ビートたけし
沖田総司:武田真治
とりあえず、最後まで観たものの、どのように評論したものか
まとまりそうもないので、さらに、もう一本、これまた
何の予備知識もなく メゾン・ド・ヒミコ (2005) を観ました。
偶然とは恐ろしいもので、これが、ゲイだけが入居できる
やすらぎの郷の話。柴崎コウの勤務先の事務所の備品の電気スタンドが、
私の結婚式の引き出物によく似たデザインだなあみたいなことを眺めてた
映画に対して、うーむ。どのように評論したものか……
どちらも、悪い映画ではないと思います。特に、メゾン・ド・ヒミコの
オシャレなラストは好きです。でも、アメリカン・ビューティーを高校生が
観に行ったようなものでした。今後、男性の性同一障害者の方の人生と
交差するような経験があれば、また、違った見え方があったのかも
知れません。
私は高校生の時、2001年宇宙の旅を映画館で観ました。そのとき、
場内はすいていたのですが、なぜか、わざわざ隣席に座ってくる
男性がいて、しかも、脱いだコートを膝の上にバサッと置いたので、
一部が私の膝にかかりました。決して愉快な状況とは言えませんが、
私は、何らかの反応をすることなく再びスクリーンに集中しました。
すると、その男性側の私の腿が、な~んか、もぞもぞするので、
脚を組み替えたら、隣の男がサッと立って出て行ってしまいました。
そのときになって、やっと、男は痴漢で、私は強制わいせつの被害者に
なってしまったことを理解したのです。バサッと置いたコートは
犯行をカムフラージュするためだったんだということがわかり、
わかったとたん、ムカムカ、ムカムカ、映画鑑賞どころではなくなって
しまいました。まあ、それがトラウマになって、この2本の映画に
感情移入できなかったというわけでも何でもないのですが……