一昨年の6月に発覚した不動産侵奪事件は、予想外の結末を迎えましたが
そこに至るまでに不動産屋さんや測量事務所の人と話し合う機会が多く
ありました。その中で、どうしても納得がいかないことが起こっていることを
知って、法務局の筆界特定室に赴きました。しかし、話が噛み合うことなく
泣く子と地頭には勝てぬと諦めかけて粛々と手続きを開始することに
一旦は決意したのです。
それでも、どうしても理不尽であるとの念から離れ得ないので、法務局に
反撃しようかと、じわじわと思い始めたので、その決意表明をかねて
「公図の罠」というシリーズを始めることにしました。
そもそも、公図というのは 明治初期に行なわれた租税徴収のための簡易な
土地測量図が原型になっているといわれていて、当時の不正確な測量が
元になっており、また、地主は小作料を多く徴収するために土地の面積を
多めに申告したり、町に住む者は課税を少なくするために土地の面積を
過小に申告したりしたものが反映されてしまったりして正確性に欠ける
ものなんです。境界紛争が起きたとき、公図にどのていどの信頼性が
あるかについては「定量的なものは信用できず、定性的なものは(一定程度)
信用できる」とされているようです。この表現もややこしいのですが、
距離、角度、面積など(定量的なもの) → 公図は信用できない
土地の形状、地物など(定性的なもの) → 公図は(一定程度)信用できる
という結論なんだそうです。私はこの「一定程度」に翻弄されているのです。
以上のような前置きで「はは~ん」と理解できる方がいらっしゃるとは
思いません。そんなはずはないのです。女房に言っても、岡山地方法務局
岡山西出張所に行っても、岡山地方法務局 筆界特定室に相談しても、
私が陥った窮状を理解していただけないのです。けれども、私自身は、
なんでそんな理不尽なことが…という念から、離れ得ないんです。
次回から、何が起きているのかについて書いていきたいと思います。