1987、ある闘いの真実(2017)

投稿者: | 2024年12月12日

1987年の6月民主抗争に至る韓国の民主化のための闘争を描いた

映画です。事実とフィクションを織り交ぜて描いているのは、韓国映画に

限らず、映画の常道なのかもしれません。それがイヤであれば

ドキュメンタリーにすればいいのですが、それでは、大衆を動員することが

できません。しかし、主要な登場人物は実名ですし、 1987年1月15日に

ソウル大生が警察で拷問死したことや、 それに関わる隠蔽工作が

発覚したこと。 治安本部長が記者会見にて「机をタッと叩いたらオッと

叫んで死ぬとは」と発言したことなど大事な部分では事実を使って

映画は進行していきます。ただし、くだんの発言は治安本部長ではなく

反共所長のセリフになってますけど。また、映画後半のヒーローである

延世大学校学生が 6・10デモの前日に催涙弾の直撃を受けて重体となり

7月5日に亡くなったことも史実です。

この映画は、1か月余りで観客動員数700万人を超える大ヒットを記録し

多くの人に独裁政権の暗黒面を胸に刻ませたことでしょう。

映画の題材となった6月民主抗争によって、 全斗煥は腹心の盧泰愚から

6・29民主化宣言を出させ、7月には政権移譲を表明しました。

1987年12月16日に約束通り民主選挙は行われたのですが、野党側が

金泳三・金大中の2人に割れたため、盧泰愚が当選してしまいました。

全斗煥は退任後も院政を敷こうとしますが、利権介入などが発覚し親族が

逮捕されるに至って隠遁生活をおくると表明し、私財の国庫への献納すると

しましたが、追求の手は止むこともなく、ついには1996年8月26日に

死刑判決を受けるに至りますが、 金大中の計らいにより減刑され、

後に特赦されます。 2013年、いわゆる「全斗煥追徴法」が成立し、一族の

不正蓄財に対する強制捜査が行われますがアルツハイマー病を装って

刑事裁判の出廷を拒否したりしたようです。

とまあ、ほとんどが、Wikipedia の受け売りになってしまったきらいが

ありますが 「タクシー運転手 約束は海を越えて」や「ソウルの春」と同様に

独裁政治がもたらすものをわかりやすく大衆に伝えていく力を韓国映画が

持ち続けていることは健全なことなんだと思います。

アサド政権も倒れましたしね。あとは、プーチンが沈む日を心から祈り

続けることにします。ついでに金正恩体制もね。

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