狼 と豚と人間(1964)

投稿者: | 2024年10月3日

モノクロ映画ですからね、ポスターも白黒写真を色づけしたエセカラーポスター。

作品の概要は、

ドブ臭い空気が充満する貧民窟で育った、三人の黒木兄弟。 長兄の市郎は、年老いた母の
金を奪うと、新興ヤクザ岩崎組に入って幹部になった。次兄の次郎も、母を裏切ると、
あらゆる悪の道に手を出しながら、金持のパトロンを持つ杏子のヒモとして、一匹狼と
なっていた。そして末弟の三郎は母の最期をみとると、チンピラの群れに加わる。
うだつのあがらない生活に倦きた次郎は、新しい人生のために国外脱出しようと
心に決め、その資金のため、岩崎組の麻薬取引現場を襲い、四千万の金品を奪おうと企てる。
兄に凄まじい憎悪を抱く三郎も、一人頭五万円の分け前に、半信半疑ながら強奪作戦に
加わる。 そして計画は成功したかのように見えたのだが…

市郎を三國連太郎 。次郎は、高倉健。三郎が、北大路欣也。杏子は中原早苗(中原ひとみじゃ

ありません)

中原ひとみは、この映画の5年前に江原真二郎と結婚してます。この映画では、江原真二郎は

高倉健とタッグを組んで岩崎組と渡り合う役柄ですが、二人ともワルなので固い信頼の絆なんて

ないんです。

中原早苗は、この映画の翌年に、この映画の監督の深作欣二と結婚します。深作欣二は、

松阪慶子や魔性の女、荻野目慶子などと浮き名を流し、荻野目慶子とは10年続いたと

言われてますが、中原早苗は深作欣二が死ぬまで添い遂げます。その他、石橋蓮司、

室田日出男、八名信夫が出演しています。

後の名作、仁義なき戦いの原点とも言うべき作品で、高倉健も、容赦ない拷問をするなど

後の昭和残侠伝、網走番外地、日本侠客伝のようなカッコいいだけの役ではなく充分に

ワルなんですが、それでも、カッコいいのです。

そういう後のヤクザ映画や、出演者たちの、その後を知った上で、この映画を観ると

ストーリーとは別の楽しみもあって、モノクロ映画ですから安っぽい画がなくて、血は血に

見えるし壊される肉体もリアルなんです。それに、貧民街の大勢の住人達を大勢の人々が

演じていて、これまたリアルそのもので、最初っから最後まで、のめり込むように鑑賞して

しまいました。

入手できるなら、是非とも鑑賞なさるようオススメします。しかし、ヤクザ映画自体に

アレルギーを持つ方は決してご覧にならないほうがいいでしょう。

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