ボランティア石川県方式は間違っている

By | 2024年2月24日

溜まっていた新聞も今朝の朝刊で、やっと追いつきました。チャージコントローラーは

新品に替えても充電ができないので車のバッテリー充電用をサブバッテリー用に

流用して、じっくりと原因を調べます……といっても、ACアダプターを交換してみても

充電ができなければ、私には原因究明の手立ては残っていませんが。

さて、ボランティア活動を終えて一週間経ち、あらためて石川県方式について

考えてみました。百歩譲って最初の混乱の中で判断を間違ったとしても

それは、しかたないのですが、災害から二ヶ月も経とうかという時期に

至っているのに、災害ボランティアは迷惑だから来るなを押し通すのは

間違っています。

災害救助法に基づく救助は、都道府県知事等の行う「法定受託事務」なので

県が主導します。その県が全国から押し寄せるボランティアを迷惑と考え、

能登方面へ向かう道路については、深刻な渋滞が発生しており、こうした中で

個別に被災地へと向かおうとすると、支援物資の到着の遅れや、患者の輸送回数の

減少など、救助・救援活動に大きな支障をきたす恐れがあるとの理由をつけて

特設サイトに事前登録し、活動日を仮予約したら参加決定通知を受け取った者のみ

参加できる仕組みを押し通しています。

しかし、2万人以上が事前登録し、これまでの累計活動実績が二千数百人ということは

競争率10倍の狭き門をくぐり抜けた者のみ活動ができるということになります。

活動できる人と活動できない人の選別をどのような方法で行っているのかわかりませんが

私のように十日程度集中して活動したいと言っても必ずしもかなえられるとは限りません。

金沢駅前からの県バスに乗って片道4時間をかけて現地入り。3時間の活動ののち、

再び4時間かけて金沢駅まで帰るといった活動をボランティアに強要して何も考えない

……と、思ったら2月26日から穴水町の旧向洋中学校を活用し、最大100人が使用できる

宿泊施設「奥能登ベースキャンプ」を設け、ボランティアは1泊2日での活動を開始するとの

ことです。奥能登ベースキャンプは、ボランティアから参加費1000円を徴収するシステムで

最初の1週間は、珠洲市で30人、穴水町で15人のあわせて45人を募集するというものです。

違う違う。全国から集まるボランティアに、そもそも宿泊場所の用意なんて必要ありません。

奥能登ベースキャンプのようなサテライトボランティアセンターをもっと多く作って大量の

ボランティアが押しかけても駐車できるスペースと仮設トイレを用意してください。

欲を言えば、燃えるゴミとプラスチックゴミを捨てることができるようにしてください。

志賀町での連日の当日受付組は車中泊。活動最終日にはトイレ付きキャンピングカーでの

参加もありました。一般の車中泊者としては、夜間、早朝に使えるトイレと駐車場所さえあれば

活動できるのです。水がなければ積み込んで行くしトイレがなければ携帯トイレで凌ぎます。

でも、例外的な者(私のように県のルールに従わない者)以外は、ちゃんと募集要項に

従って事前登録もするし、軽トラ持参なら当日参加できると知ったら岐阜や岡山から

軽トラに乗って駆けつけるのです。でも、軽トラで車中泊はできませんから着いたその日か

せいぜい、一泊で帰って行きました。

ボランティアに助けを求める人の多くは、家の中の片付けを知り合いにやってもらいたいとは

考えません。家の中の状態をまったくの他人に見られても大丈夫ですが知り合いや

親戚に見られたいとは思わないのです。熊本でボランティア活動したお宅の人に後日

偶然会いました。こちらとしては、一日、顔をつきあわせて少しは親しくなった方ですから

当然のように挨拶をしたら、あいまいに返して、そのまま立ち去っていきました。???と

思いましたが、ボランティアの助けを借りたことを周囲の人に知られたくないのです。

志賀町の富来地区でボランティアさせていただいた高齢者男性の方は、朝のうちは

どこかボーッとした感じで、こちらの話しかけることに従うというか誘導されるがまま

みたいな感じがありましたが、午後になると、しっかり会話もできるようになりました。

ボランティアと話を交わすだけで、しっかりしてきたり元気が出る人って多いのです。

ボランティアを装って法外な「料金」を要求するような輩が入り込んだりするのは

事実でしょう。でも、それは千人に一人とか、そんなレベルで残りの999人のボランティア

活動を県が阻害するのは間違っています。たしかに、ボランティアの中には

やっかいな人もいます。それ以上に心やさしく被災者の気持ちに添うことができる

人達がいるのです。2万人以上の人がボランティアをしたいと手を上げたなら、

その願いをかなえる義務が石川県にはあるのです。ボランティアセンターの人達も

2ヶ月間の活動を通して経験も積み、たくましくなっています。どうしても手に負えない

人が来ても、その人を手なづけることができる人も来ます。多くのボランティアが

集まれば、ボランティア社会の中で秩序が保たれるような力が働くのです。

このあたりは、経験が物を言うとしか説明できませんが必ずスーパーボランティアは

いるし、多少やっかいな感じでも根は善意で参加しているので、まる一日活動すれば

話ができる状態になります。2万人以上の希望者がいれば、そのほとんどが初めての

ボランティアかもしれない。そういった人がボランティア経験をする機会を石川県は

奪ってはならないのです。

道路の渋滞?「のと里山海道」が一般車通行止めでも在来道路の渋滞というものは

まったくありませんでした。ただし、石川県特有というか、40km制限といえば40km

以下で走る車をたびたび見かけました。その車のあとにズラーッと列ができますから

我々県外組は、これを1台渋滞と呼んでました。しかし、先頭車が脇道に入れば解消する

渋滞です。そもそも、能登半島では走行する車の台数そのものが少なく、走ってる車も

長い距離を走る車は少ない。そもそも渋滞ができるほど車がいなのです。全国から

大挙してボランティアが押し寄せても渋滞が起きるほど来ることはありません。

まだまだ、日本ではボランティアって少数派なんです。

今回、被災地で自動販売機が壊された、という報道がありました。当初は「自販機破壊し

金銭盗む」という報道でしたが、その後、「避難者の飲料水を確保するため」に、ちゃんと

所有者の許可をとって壊したことがわかりました。そもそも、高速代とガソリン代を

つぎ込んで自販機の小銭を盗っただけでは元が取れないでしょうという考えが働かないから

県外ナンバーの流入を阻止せよなんて声が起こる。その声をまともに信じて石川県は

ボランティアに実質的な制限をかけてしまいました。それは間違いだったことに

そろそろ気づくべき時期です。自衛隊がやってくれるから大丈夫。などと夢にも

思わないでください。自衛隊には自衛隊にしかできなことをやってもらわねばなりません。

まして、ウクライナがこんな状況でプーチンが日本を名指しで目の敵にしている

このタイミングです。

石川県は何を間違えたかをこんな世界の片隅から指摘するのもボランティア活動

なんですよ。行った人にしかわからないことがあります。志賀町も無条件で

ボランティアを受け入れているわけではありません。ボランティアの募集範囲は

 【1】志賀町及び近隣市町(七尾市、羽咋市、宝達志水町、中能登町)に在住の方

(駐車場の利用は志賀町および近隣市町村の方に限らせていただきます)

【2】県民ボランティアセンターが運行する金沢発の送迎バスを利用される方

のままです。それでも、他県の者が行っても、ちゃんと受け入れてくれます。

石川県が間違えたのなら、その間違いをゆる~く正すのもボランティアの務めかなと

この文章を書きました。

2 thoughts on “ボランティア石川県方式は間違っている

  1. Shunpa

    充電器から電気が出ていてサブバッテリーに充電出来ないのは途中で電気が切れているからなので、配線を辿れば原因が分かると思います。

    ボランティアの件は実際に活動された方の感想や意見にはかないませんが、報道やネット情報で見る限り受け入れ側の行政が全くなっていない感じを受けます。ボランティア参加料を1000円取るなんて誰が考えたのでしょうか?あきれ返りますね。

    Reply
  2. 何処吹く風 Post author

    ボランティアのほうは、これまでにいろんな被災地を経験していて

    比較する眼をもっていますが、行政側は初めての経験で、おっかな

    びっくり、できるなら関わりたくないという心理が働いてしまうのでしょう。

    ボランティアを受け入れるには宿泊場所を用意しなければと考えて

    しまうのも無理からぬことで活動の昼食だけなら持参してもらうことは

    なんとか理解できても一泊二日となれば夕食と次の日の昼食ぐらいは

    用意しなければならないだろうと考えてしまうのです。そこで、その費用の

    実費ぐらいは申し受けてもいいんじゃない?という方向に議論が

    行ったのでしょう。これが、必要であれば1000円で夕食と次の日の昼食を

    用意できますよというオプションなら問題はなかったのでしょうけど、

    一律徴収としたから「ボランティアは、お金を出してさせてもらう時代になった」

    などとネットで叩かれてしまうのです。ついでにいえば、宿泊場所の用意も、

    そんなに必要なくて車泊できるスペースさえあればいいのですが、最初に

    ついた「ボランティアが大勢押しかけたら渋滞する」というウソとの整合性が

    とれないためウソをつき続けるしかないのでしょう。

    でも、行政もボランティアも一番に考えなければならないのは、被災者にとって

    どのようにするのが一番良いのかという視点であって、生活を立て直すと

    言うよりも生活を立て直そうという気力を取り戻すには、やはり拙速でも

    いいから多くのボランティアが現地に入ることが大切だという実感は

    今回も変わらないんですけどねぇ。

    そもそも、ボランティアは個人の自発的な意志に基づく自主的な活動なので

    それを行政がコントロールできると考えた時点で間違ったと思います。

    Reply

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語を使って書いてね。外国語わかんない。