ボランティア。このやっかいな人々

By | 2024年2月16日

最終活動日を無事に終えることができました。

お世話になったボラセンの事務長さんを始め皆さんに挨拶して

受付ボランティアのおばちゃん達、全員に手を振って見送られながら

十日間8日の活動の思い出を胸にボランティアセンターを後に

しました。

最終日の活動でも失敗がありました。十人以上のボランティアを

休憩所から現場に案内しなければならないのに、ちょっと迷って

50mほど回り道をさせてしまいました。今回の全活動で何回目の

「すんません、すんません」でしょう。

さて、表題。数日前の昼休憩時でした。地元のボランティアMさんが、

その席にはいない防災士のネーム入りの服を着たNさんと自己主張の

強いYさんについて批判を始めました。その日はMさんがリーダーと

なっていましたが、Nさんが(防災士の肩書きを振りかざして)依頼者に

対して用命事項の中で優先順位はどうなっていますかと質問して

困惑させてしまってたことや、Yさんが家具を壊して運ぶべきだと強く

主張して曲げないなどの具体例を話しながらリーダーの指示を無視して、

それぞれが勝手に行動されたのでは、やっていられないとブチまけたのでした。

最初は、あいづちを打ちながら聞いてた私も、どんどんエスカレートする

Mさんの発言のスキをねらって「だいたい、ボランティアするという人って

変人だ。主張も強い。それが証拠に、まっとうな人間はボランティアなんか

しないよ」と、発言したのがウケて、そこにいた全員が大笑いしました。

さすがのMさんも振り上げた手のやり場に困って、「みんな変人」に賛同する

空気の中、Mさんの批判は腰砕けみたいになってしまい、だんだんと

元の雑談に戻っていきました。

今回、出会ったボランティアの中で、もっとも強烈な個性の持ち主は

Oさんで、ほとんど耳が聞こえないらしく、どんどん、マイペースで話を

進めて誰かが反応して発言しても聞こえないので、おかまいなく

自分の話を進めていきます。俺は貧乏で金がかかるのは嫌いだが

口癖で、ボランティア用にカップ焼きそばやカップうどんなどが用意されて

いるのを見つけると狂喜して、その場で喰う、持ち帰りをするという

傍若無人なところがありながら、周囲の者が嫌うどころか笑いながら

受け入れてしまう愛嬌も持っているのです。連発するお決まり

ジョークの中に時折最上級のジョークが放たれることがあり、常識

はずれが、一種の芸にまで昇華されているのです。Oさんの話に

なると誰もが笑いながら話す有名人でもあります。

マイペースでいろんなところで車中泊をしているので、ほうぼうで

職務質問を受けるらしく、私の駐めているところには一度もパトカーも

来なくて職質も受けたことがないよと教えると、三日ほど前から

私の隣で車泊しています。

私だって、県が定めたボランティア募集要項を完全に無視して

現地に入り込んでいるので迷惑ボランティアの一種なのですが

志賀町では受け入れてくれたので、ずっと、この町で活動してきて

います。

なぜ、県に背いてまで受け入れてくれているかが、ハッキリわかって

いるわけではありませんが、志賀町の前の町長が収賄で逮捕されて

辞任したので、これに伴う町長選で当選したのが今の町長です。

昨年の12月25日に初登庁をして新町長として働き始めて一週間ほどで

今回の地震に見舞われてしまったわけで若手町議などの支援を受けながら

町政を進めているようです。そんな町長だからこそ、県にさからったような

ボランティア受け入れがスンナリと通ったのではないかと想像しています。

私が活動を始めた十日前には当日受付組は4人ほどだったのが、今では

個性派揃いの10名超えが当たり前になってきています。今後は、さらに

増加していくと思いますし、他の市町村の中にも追随するところが出るのでは

ないでしょうか。

2 thoughts on “ボランティア。このやっかいな人々

  1. Shunpa

    お疲れ様です。

    ボランティア活動以外の人間関係も大変そうですね。私は自称「まっとうな人間」なので、ボランティアには向いてなさそうです。

    Reply
  2. 何処吹く風

    ボランティアは初めてという方は、ほとんどが 「まっとうな人間」 です。

    何でも見て聞いて吸収して帰ろうとします。私が、ここに書いてるようなことを

    話すと熱心に聞いてくれます。また、いろいろ思いも持ってらっしゃます。

    私と似たような年代の女性から「被災者の方にオカリナの演奏を聴いて

    いただきたいのだけど、どうやったら願いが叶うかしら」と質問いただいた時に

    十日くらい同じ場所で活動してスタッフの方と信頼関係を築くことができたら

    こちらの提案を聞き入れてくれたりしますよ。ただし、県の管轄のことを

    市の関係者に言っても何も通りません。ボランティアセンターのスタッフに

    オカリナのことを話しても手配してもらうことはできません。避難所の

    運営者と信頼関係を築ければ手はあるかもしれませんがプロの方とか

    NPO団体の申し入れは通りやすいというか受けるほうもやりやすいんです。

    てなことをお答えしたのですが、答えになっていなかったでしょうね。

    私も最初は、あんなこともできます、こんなこともできますとスタッフに

    言って困らせた口ですから、その方の思いはわかるんです。でも、ボラセンの

    スタッフは今回が初めての方ばかりで、いろんな被災地でボラセンスタッフの

    経験を重ねた人なんて皆無ですから無理言っちゃダメなんです。

    ところが、ボランティア側には活動経験百回目みたいな猛者がいて

    彼らが、あーだこーだと言い出したらスタッフは何も言い返すことが

    できなくて、すいませんを繰り返すしかできなくなるんですね。

    私の視点は、わが町内会の方が被災したときに、どのような支援が

    できるか。市に対して、どのような手順を踏めば要求を通すことが

    できるのか。来ていただいたボランティアの方に、どのように接すれば

    気持ち良くその日の仕事をしていただけるのか。そういう勉強が

    目的なので、むしろ「やっかいなボランティア」に傍観者の立場で

    会えることは格好の勉強の材料で、しめしめなんですよ。

    Reply

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