イントラネット業務をしていた部所からの異動先で、当時、私が
受け持っていた業務の中にカーリースの契約管理業務がありました。
社内では私一人だけしか担当しないので前任者とか前々任者しか全体的な
流れや実務処理について知る者はいません。
私も実務処理の方法については、前任者から引き継ぎを受けましたが
概念的なことについては、自動車販売業務について書かれた分厚い本の
リース販売という章に書いてあるものしか参考にできるものはありませんでした。
さいわい、前々任者が有能な方だったので電話して、いろいろ教示して
いただきました。それでも、不足する部分は関連会社のレンタリース会社に
電話して教えてもらっていました。
自動車税の季節になると、会社に届いた納税通知書の中からリース契約ぶんを
抜き出して経理に支払うようにと回す業務があるのですが、リースアップ車を
リースアップ契約者に売却しているケースで自動車税をそのまま会社が
払い続けてるものがありました。これは、登録業務がリースアップ車売却の場合
自動車税事務所に対して納税義務者の変更をしなければならないのですが、
割賦契約の所有権解除と同様に考えて所有権だけを使用者に移すものですから
納税義務者がリース会社のままになってしまったということです。
割賦契約の場合は登録時に納税義務者は使用者にしますからね。逆にリース
販売なのに使用者に税金を払わせているケースもあったような記憶があります。
登録業務の間違いではなく、歴代のカーリース担当者がこのあたりのことを
よくわかっていなかったため、登録業務に対して是正を求めないままに
していたのでしょう。再リース契約でもゴテゴテしたことがありましたし、
よくわからないまま、営業所もリース契約をしてくるもので、修正を
お願いしなければならないケースも、いくつかありました。リース契約の総数が
たいしたことがなかったので、問題が起きても全契約をチェックするのは、
さほどの労力を必要としませんでした。
カーリースの他にはクレジットカードの募集やキャンペーン関係の告知、
新規契約の実務処理などがありましたか。それ以外の業務は何があったか
覚えてません。毎日、定時までに仕事が終わり、ひどいときには午前中には
終わってしまうという状態ですから、その空き時間を利用してイントラネットの
応用研究を個人課題として取り組んでました。
異動して、一年半くらい経過した頃だったでしょうか。そりが合わない部下に
他の仕事を任せるわけにもいかず、かといってヒマをもてあますかのように
大っぴらにイントラネットをつついているものですから、上司はムカついて
いたと思います。(ムカついていました)
窓の外に追いやられる半年くらい前に直属の上司が、カーリース業務の
マニュアルを作れと言ってきました。かわいくない私は、
「半年後には、基幹システムが総入れ替えになりますよね。現在のシステムの
実務マニュアルを作ったとしても何の役にも立たないと思いますが……」
「それはそうだが、カーリースの概念を理解している人が少ないので、
そのあたりのことをマニュアル化してくれれば……」
「それなら、すでにありますよ。カーリース業務を担当するにあたって
私もこれを読みましたから」
と、例の分厚い本を「読んでみます?」と渡しました。
マニュアルの件は、それっきり、それっきり~♪になりました。
二、三ヶ月経って、上司が就業時間内の業務内容をそれぞれ開始時間と
終了時間がわかるように書いた日誌ファイルを共有フォルダに置いてくれと
言ってきました。個人課題に取り組んでいる時間がやたら多い日誌に
なっていたと思います。Excel で作ったのですが、最大表示したら
ちょうど、昼休みを除く一日分が一覧できるようにして、わざわざ、
下方にスクロールしないと表示しない位置に、その日の上司の言動に
批判すべきことがあれば、「ひとこと」みたいな感じで記しておきました。
たとえば、若手男性社員に、ふざけて後ろから髪をくしゃくしゃにして
イジっているのを目撃したときには、その様子を書いて、「まるで、
小学生のマウンティングだな」と寸評を書き加えておくといった感じです。
業務の外部発注先への電話にパワハラっぽいところがあれば、それも
記録しておきました。要は、ディスる対象のことが起きれば書いておく
という感じで、そうそう毎日起きるわけではありませんから、ときおり、
欄外に地雷を埋めておくっていう感じです。この地雷が実際に爆発したか
どうか、私は、ついに知ることはできませんでした。その年の年末に異動の
内示がありましたから。
しかし、この内示が、一騒動起こします。