流麻溝十五號(2024)

投稿者: | 2024年8月14日

上映期間が、一週間しかなくて上映開始時間が 11:50 で飲食禁止の

劇場なので、なるべく遅めに朝食を摂って映画が終わってから帰宅後

昼食にしました。

意識して台湾映画を観るのは初めてです。

作品自体の感想としては、正直、いろいろ残念なところがありました。

しかし、観終わってから(いや見始めてすぐに?)次々と疑問が湧いて

止まんなくなってしまいました。台湾のこと、まったく知らないんです。

白色テロ時代?聞いたことないなー。

映画観る前にはレッドパージみたいなもん?って簡単に考えてましたが、

どうやら全然違うようです。「身体髪膚これを父母に受く」なんていう

セリフが出てきます。ん?これは、日本統治時代の置き土産?とか

思いましたが、帰宅してから調べたら儒教でした。儒教経典の中の

孝経が出典でした。

白色テロ時代は、 二・二八事件が発端となります。

1947年2月27日に台北市でタバコを販売していた2人の子持ち寡婦が
官憲に摘発されました。女性は土下座して許しを請いましたが、銃剣の柄で
殴打され、商品および所持金は没収されました。この様子を見ていた群衆が
女性に同情し、多くの人が集まってきました。官憲(10人)のうち、
台湾専売局台北支局密売取締員6名(残り4人は警官)のうちの誰かが
威嚇射撃をしたところ、流れ弾が、この騒ぎとは無関係の台湾人を被弾
死亡させてしまったため逃亡してしまいました。多くの人が集まった背景には、
中国本土ではタバコは自由販売が許されていたのに、台湾政府は日本統治
時代の専売制を引き継いだため多くの台湾人が差別的と考えて不満を
持っていたということがありました。
さらに、「犬(日本人)去りて、豚(中華民国人)来たる」という言葉で第二次
世界大戦後初期、中国本土から来た官僚や軍人が揶揄されたのは、あまりにも
彼らの質が低く、役人の著しい汚職、軍人・兵士などの狼藉、さらに経済の
混乱など台湾人にとって、到底受け入れがたいものであったことも暴動の発生に
関係していたと考えられます。
この事件がきっかけとなって民衆の政府への怒りが爆発しました。翌日の
2月28日に省行政長官兼警備総司令の公舎に押しかけたところ庁舎の
衛兵に機関銃の銃弾を浴びせかけられて多数の市民が死傷してしまいました。
激怒した台湾人民衆は政府の諸施設を襲撃し終戦後中国本土から台湾に
やってきた人々(外省人)の商店を焼いたりして、さらに、暴動は
エスカレートしていきました。劣勢を悟った政府側が台湾人に対して
対話の姿勢を示すと同時に裏では中国本土の国民政府主席蔣介石に援軍を
要請しました。
民衆側も武器を持って抵抗しましたが、中国本土から到着した第21師団や
憲兵隊に制圧されてしまいます。
二・二八事件以降、断続的に発令された戒厳令下、裁判官・医師・役人を
はじめエリート層が次々と逮捕・投獄・拷問され、その多くは殺害されました。
そして 1949年5月19日に発令された戒厳令は、1987年まで
38年間にわたって継続され、その間、反体制派とみなされた多くの国民が
投獄・処刑される恐怖政治が続きました。この時代が白色テロ時代と
呼ばれた時代です。
台湾において「民主化」が実現するのは、李登輝総統が1992年に刑法を
改正し、言論の自由が認められてからのこととされています。

1949年12月に毛沢東に敗北した蔣介石親子が台湾に流れ着き、蔣介石の

独裁体制が始まったわけですが、同時に息子の蔣経国が特務機関の事実上の

トップについたことで党・政・軍ににらみを利かすことができる地位を築いて

いきました。裏の権力を掌握していくにつれて蔣介石夫人の宋美齢、つまり、

母親とも溝を深めていき、弟の蔣緯国とも仲が悪くなり弟は次第に母親との

連携を深めていきました。

1950年代後半になると、蔣経国は、特務による強権支配を徐々に軌道修正

し始めます。一方、五・二四事件の黒幕であったと考えられている蔣経国に

蔣介石が激怒して癇癪を起こした蔣介石に蔣経国は杖で打ち据えられたとも

伝えられている……キリがありません。しかし、以上のようなことをおぼろげに

でも知らないままだった私は、そんなことがあったのか、中華民国の国連

脱退の背景は、そうだったのかのかと驚いているばかりですが、中華民国は

権威主義国家として共産化はしませんでしたが政治体制自体はソ連そっくりに

なりかけていたけれど、結局、権力内部での粛清が行われなかった経緯など

興味深い点が数多くあります。むろん、一国の動きは政権内だけの話ではなく

国際社会、特にアメリカの存在は大きいものがありますね。そんな中、

五・二四事件では、アメリカ大使館乱入事件を起こし、 大使館内の金庫を

こじ開けて大量の機密資料を持ち去っ たりまでしたというのですから、

そりゃ、蔣介石は癇癪を起こしますよね。

映画のほうに少しだけ話を戻すと主要な三人のヒロインの中で指導的な

立場だった女性が死刑直前の撮影で↑↑↑のように笑顔で写ります。

さらに蛇足ですが、高校生のヒロインが、映画の中で日本語で話したり

するのですが、古川琴音に似ていて、まさか出演していた?と調べて

しまいました。

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