手持ちの宮城谷昌光の著書のうち、最後の「孟嘗君」を読み終えました。
これがもう、読み始めると同時に引き込まれ猛烈に面白かったのです。
宮城谷昌光の傾向としてタイトルが表す人物よりも、その人物に至るまでの
父であったり、敵方の英雄であったりすることが多いのですが、孟嘗君も
育ての父を描く部分が6割、その他の登場人物や戦闘シーンなどを描くのが
2割で孟嘗君にスポットを当てて描いているのは2割程度となっています。
最初っから最後まで主人公にスポットが当てられているのは太公望とか
夏姫もそうかな?とはいえ、どちらも周辺の人物も、しっかりと書き込んで
あります。
宮城谷昌光の本には描いている時代の中国の簡単な地図が添えられていて
読み進むうちに出てくる国の名前や都市の名前を地図で確かめて位置関係や
距離感などを念頭に置いて読み進むと楽しみが増えます。しかし、揃えた
宮城谷昌光は、すべてメルカリなどで購入した古本なので地図が欠落している
ことがあります。孟嘗君は、全五巻なんですが、地図は第三巻にしか入って
なかったので、第一巻から第五巻まで、その地図一枚で凌ぎました。
孟嘗君の養父は、めちゃくちゃカッコいいです。剣の腕も立つし女性にも
もてるのですが、そんなことよりも肝の太さが尋常ではないし、とにかく
人間のスケールが並外れてでっかいのです。そんな彼が剣を捨て学問を
めざすあたりから、さらに人間としての魅力を誰にも手の届かぬほど積み上げて
いくのですが、その過程が何とも痛快なのです。剣客から大商人になって
巨富を得ても、その使途には思わず唸ってしまいました。この事業には
若き日の孟嘗君も関わります。
「孟嘗君」は、そんなわけで全五巻を一週間足らずで読み終えました。読んでる
途中で、このままいくと、すぐに読み終えてしまうなというのがわかりますから、
いよいよ、三国志に取りかかろうと思ってメルカリや楽天市場、Amazon の
ショップなどを検索して、メルカリはちょっとしたトラブルもありましたが、
「孟嘗君」を読み終えて二日以内くらいで、第一巻から第十一巻まで手元に
揃えることができました。第十二巻と外伝については、手頃な価格のものが
見つからなかったのですが、読み進むうちに適当な出物があれば購入する
予定です。
さて、いよいよ、昨夜から三国志の第一巻を読み始めたのですが、一晩空けて
続きを読むと、もう誰が誰だかわからなくなっていました。まあ、そうなるだろうとは
想像していなかったわけではありませんが、その想像をはるかに超えていました。
例の地図に載っている地名も八十近い数なので探すだけでも一苦労。もちろん、
地図に載っていない地名もバンバン出てきそうです。こりゃ、メモを取りながら
読まなきゃならないかな?いっそ、Excel に書き出そうかと考えましたが
人名に使われてる文字をすべてATOKが書いてくれるかな?それにそんな作業を
しながらでは読み進むスピードの低下に堪えられるかどうか……
読み始めたばかりの今はまだ、それって贅沢な悩みだよなと余裕をかましていますが
第一巻の半分ほども読まないうちに蒼ざめてしまう悪寒もします。