幸いなことなんでしょうけど、岡山県では新型コロナウイルス感染者は確認されて
いません。今は、、、ですけど。岡山県で１６人いらっしゃったクルーズ船乗船者の
おひとりの様子が聞こえてきました。自ら、乗船者であったことを公表して
自分に近づかないようにと周囲に知らせて自宅でひっそりと過ごしているとの
ことでした。犯罪者でもないのに理不尽な……と思われるかも知れませんが
感染を広げないための理にかなったふるまいだと思います。しかも、非常に
勇気をお持ちの方ですね。ご自宅の前の道路に「まけるな」とロー石で
書きたい気分です。ちなみに岡山県備前市三石は、国内でも有数のロー石の
産地です。
無観客相撲に無観客プロ野球開幕戦、高校野球も……と、世の中総自粛ムードで
小中高一斉休校なんかは、過剰反応だとの声も高いし、連日のマスコミ報道の
過熱ぶりも、いささか、やり過ぎ感がありますが、この騒ぎで今季の
インフルエンザ流行が明らかに抑制されていて「騒ぐことは良いことだ」という
実績も出ているようです。
３月、４月、町内では総会と花見という秋祭りに次ぐ大きな行事があります。
明後日の役員会でも開催自体をどうするかという議論が必ず出てくると思います。
私自身は、昨日までは開催という方向でいいのではないかと思っていました。
総会は会場をいつもの公会堂ではなく、もう少し広い会議室を借りて換気も
よくして、３ｍ間隔ぐらいで座ってもらおうとか、いっそ、屋外でやろうかとか
考えてました。花見は、元々屋外でやるものなので、雨天のときには中止で
用意した弁当は、各参加予定者宅に配って、家族だけの花見をしてもらうとか。
しかし、今朝になって、突然、考えが変わって、ここはやはり中止したほうが
いいと思い始めたのです。
来る東南海地震に対して何ができるかというのは、2011 年以来、ずっと私の
テーマで、先月も機会をつかまえて念願の携帯トイレ備蓄を果たしました。
町内の正会員は８０世帯ぐらいなのですが、1,000 セット用意できたので
１週間から１０日ぐらいは、しのいでいただける量を確保できたと思います。
高齢者対象の茶話会や健康麻雀への取り組みは、元々、災害対策の根幹は
何かという問いへの答のひとつとして「町内に住んでる人の名前と顔が
一致する地域づくり」だと思い至ったことがきっかけです。それには
数年を要しましたがね。
茶話会をスタートして再来月でやっと三周年。いまだにスタート地点あたりで
ウロウロしています。この茶話会も、今月は中止せざるを得ないでしょう。
災害に対して考える時、私たちの思考を正常性バイアスが邪魔します。
今回のコロナウイルスに対しても、このせいで正しい対処ができなかったら
ダメだなあと、今朝思ったのです。ホントに突然今朝のことでした。
３月５日午後９時現在で日本における感染者は、1,045 人死者12 人
（うち、クルーズ船乗船者 696 人死者 6 人）２９都道府県（うち、４県は
クルーズ船下船後に陽性と判明した一人だけ）に及び、この数は多いのか
少ないのかという面にだけ目を向けていたのでは、正しい判断を妨げることに
なると思います。致死率や感染力も情報のひとつとして判断の材料とするのは
いいけど致死率が低いから大丈夫、感染力が弱いから大丈夫と正常性バイアスを
補強させてしまってはダメですね。
さて、なぜ今朝突然に町内行事の中止方向に思考が傾いたかというと、
「すでに、日本ではウイルス災害が発生している」という考えが脳裏に
浮かんだからです。「岡山県内で感染は確認されていない」「岡山市では
確認されていない」「町内では確認されていない」と、どんどん、地域を
せばめて考えていけば、いつまで経ってもウイルス災害は未発生の状態であり、
静観していればいいということになりますが、「すでに災害が起こっている」
のであれば、対策を取らねばなりません。では、町内で取り得る対策は？
と考えると感染リスクを高める集会（特に高齢者の集会）は、取りやめる
以外には何もないんですね。まあ、花見でクラスター発生！町内会総会で
クラスター発生！などの見出しで、ウチの町内会が新聞に載ったら……
という考えがよぎってしまったというのもありますけど。
開催しないとなれば、花見の代わりに夏に町内初のＢＢＱ大会を開催しても
いいし、総会決議は役員会の決議提案を配布して一定期間異議ありの声が
なければ決議とするでもいいし、さまざまな代替え案、回避策を考えることは
できます。どうでも開催しようとするから、開催のための理由付けを必死で
探して、その過程で、せっせと正常性バイアスの強化をしてたのかなあと
思ったのです。