あざやかでしたねー。あっさり、謝罪文+辞任。逆ギレ森喜朗との違いを
見るまでもなく、これほどにダメージを最小限に抑えた退き口は、
信長の金ヶ崎の退き口をほうふつとさせます。
しかも、謝罪文の中に「内輪でのやり取りのつもりでしたが」という文言を
撒菱のごとく、ちゃんと残しています。「私のLINE上での、大失言」
「LINEが好きで」など、謝罪文中で六回「LINE」という言葉が繰り返されて
います。半私的なやりとりを告げ口した人物がいる。しかも、LINEでのやりとりが
あってから、1年も経って、もっとも効果的なタイミングでなされたことを
ちゃんと伝えています。
では、誰が告げ口したのか?これも、謝罪文の中に三回登場する人物名がありますね。
演出振付家の MIKIKO 氏。謝罪文の中に登場する固有名詞は、MIKIKO 氏と橋本会長と
渡辺直美さんだけですし、MIKIKO 氏が開会式演出チームから「排除された」と
文春オンラインで報道があったことから、少なくとも、佐々木宏氏は、告げ口したのは
MIKIKO 氏サイトだと思ってるのは間違いないと思いますねぇ。ただし、佐々木宏氏の
あざやか過ぎる退き口は、文春側としては予想外だったでしょうね。「さらなる追求」の
はずが、あてが外れて、場合によっては MIKIKO 氏を傷つけかねることになるかも
知れません。
念のために断っておきますが、ブタ発言は容認できるものではありません。しかし、
その発言をどうこう言う前に、いろいろ、アイデアを出し合っている状況で、採用された
アイデア以外は、すべてハズレのアイデアであって、この場合も「オリンピッグ」という
ダジャレが浮かんでしまったために、そこから出発してブタ発言へと繋がってしまった
というのが順当な見方だと思います。どこをどう見ても、渡辺直美さんを侮辱する意図が
先にあったというには無理があります。
まあ、そうした議論には別の考え方も出てくるかも知れませんが、内輪のLINE上の
やりとりが、1年の時を経て文春砲の餌食になるというそのことの重要性をもっともっと
真剣に考えるべきではないかと思えるのです。諮問委員会や検討会議、その他、さまざまな
会議の議事録が非公開になったり、ひどいときには議事録そのものを作らなかったりする
不透明性を助長する動きに悪用されかねないからです。
何らかの判断がなされたその経緯をあとから検証できないようにしてしまうことと、
言葉狩りで溜飲を下げることのどちらがより重要なのかを考えねばなりません。
とはいえ、もう少し掘り下げると、佐々木宏を弁護する気は、さらさら無くなりました。
謝罪文の本文よりも、追記のほうが長いとは!ということで、私も追記。
そのあざやかな撤退さえも、みんな追い出して自分が大将になったものの、能力不足で
どうにもならなくなっているところに、この騒ぎ。今しかない!と追い手に帆かけて
スタコラサッサと逃げ出したということかも知れません。
誰が尻ぬぐいすることになるのか……お気の毒。