一言で言えば、大人のための童話。
それも、すごく良くできた童話。
子供のための童話だって、とても残酷なものや理不尽なものが
あるように良識ある大人は眉をひそめるような内容だけど
ちゃんとラストで童話だってことを明らかにします。
その温かさだけで、救いようがない人間のどうしようもなさが
全部、救われちゃう。
もし、どこか旅先でラストシーンと同じ光景を見かけたとしても
気にもかけないでしょう。そのように、実は、それぞれの人生の
とても大切シーンをいくつも目撃していたのかもしれないなあ
……なんて思っちゃいました。
こうして埋もれた名画に出会えることが映画ファンにとっては
得がたい宝物です。