Monthly Archives: 11月 2019

今さら Ubuntu (2)

https://www.ubuntulinux.jp/download

から、ubuntu-ja-18.04.3-desktop-amd64.iso を入手。

レジュームを繰り返しても、就寝までには完了しなかったので

今朝、再びレジュームをかけておいたら、いつのまにか

ダウンロードは完了しておりました。

Windows 8 からWindows 10 に無償アップグレードした場合は、

Windowsディスクイメージ書き込みツールを右クリック起動できない

とのことなので、iso を右クリック → プロパティ → 全般 → 変更ボタン

→ その他のアプリ → この PC で別のアプリを探す

で、C:\Windows\System32\isoburn.exe を指定します。

あとは、Windows ディスク イメージ書き込みツールを使って

インストール DVD を焼きました。BIOS 設定を変更して

DVD/CDブートを優先にして、DVD を読み込ませると

Ubuntu 試用モードになり、Ubuntu インストールをクリックすると

「インストールの種類」「タイムゾーンの設定」「ユーザー情報の設定」を

行えば、あとは インストール完了まで自動的に進みます。

ここまでは、とっても簡単。ただし、けっこう時間はかかりました。

今さら Ubuntu (1)

ずいぶん前から、Ubuntu をインストールしてみようかなという考えは

あったのですが、「めんどくせーな」の気持ちに立ちはだかれて

先延ばし、先延ばしを繰り返してきていました。ひとつの言い訳として

Ubuntu を入れるのに最適なパソコンが手元になかったかというのが

ありました。しかし、今年4月の大幅入れ替えで、

Dynabook T353/41JB
CPU:インテル®Corei3 -3120M プロセッサー2.50GHz
メモリ:4GB
システムの種類:64 ビットオペレーションシステム

という、まあ、うってつけじゃないの?というノートパソコンが

余ってしまったので、言い訳としては通用しなくなっていました。

でも、今年の3月に、同じく インテル®Corei3 プロセッサーを

搭載した自作機をインテル(R) Core i7-8700K プロセッサー搭載機に

代替えしたので、Core i3 自作機に、CentOS 7 か、CentOS 8 を

インストールして、このブログが入ってるサーバーを更新させるほうが

優先事項なのですが、「めんどくせーな」度が桁違いに高く、

それと比べれば、ハードルが低い Ubuntu でもインストールして

みようかという気分になったということです。

Ubuntu に手を出してみる最大の動機は、電気代です。3月に

組み立てたパソコンは、メイン機として使うことが目的なのですが、

ふだんは、DiCE を走らせておくためと、インターネット上のファイルを

ダウンロードさせるために24時間稼働させております。

しかし、この二つの仕事は、電気燃費の悪いメイン機ではなくても

ノートパソコンでも十分なのではないかと思えるのです。ただし、

老朽化したリチウムイオン電池を搭載したノートパソコンを

24時間稼働させるのも、発火リスクがあり、これまた、

多少、電気代が浮くからといって安易にやるべき事ではありません。

そこで、Ubuntu ノートパソコンで DiCE を走らせることができ、

ダウンロードも支障なくできるなら、電池を抜いた状態で

(つまり、AC アダプタからの電源供給だけで)運用しようかなと

思っています。それらの目論見が果たせなかった場合は、ちょっとだけ

Ubuntuで遊んだあと、CentOS を入れて、サーバーメンテナンス時の

告知ページを表示するために使うことになると思います。

 

# この記事を書いてる間に、日本語 Remix イメージのダウンロードが
完了する予定でしたが、ダウンロードの失敗が繰り返され、
おまけにレジュームにも失敗して、今また、ダウンロードの
やり直しになってしまいました。とほほ……

アズミ・ハルコは行方不明(小説)

小説を先に読んで、その小説を原作とする映画を観ると、ほぼ、100% の確率で

がっかりします。その逆の場合は、あまり例がなくて果たしてどれほどの

確率で、やっぱ、しょせん映画は映画だなーと思ってしまうものなのかが

わかっていません。

「アズミ・ハルコは行方不明」の映画が面白かったので、山内マリコ 著の

原作を読んでみました。あれれ?

映画は、せいぜい2時間半程度の上映時間の枠に収めざるを得ないという制約から、

どうしても、省略が発生します。いくつかのエピソードが省略されたり

登場人物が何人か少なかったり、イタリアの巨大シンジケートの話を

メキシコの下層ギャング団の話にするなど舞台自体を小さくしたりします。

この小説でも、確かに映画では省かれている登場人物が一人だけいます。

樫木あずさという地方新聞社の記者ですが、特に生きづらさを抱えてるふうもなく、

駆け出しの男性記者であっても、なんら差し支えない登場人物で、アート

ディレクター津川ジローの部下である吉田という映画に登場しない人物同様、

省かれるべくして省かれた登場人物というべきだと思います。

つまり、主題には、ほぼ無関係。場合によっては登場することによって

(ほんの少しだけど)主題を弱めているとも言える登場人物です。

時系列の切り貼りで、スッとストーリーが入って来ないという特徴を

映画は持っていましたが、その点、小説では主要登場人物ごとに

きっちりと時系列に沿って書かれていて、ストーリーを追うのに

何の苦労も必要ありません。っていうか、ストーリーを追ってる

だけの小説?

小説を読んでみると、映画は、すごく原作に忠実に描かれていたことが

改めて感じられました。いや、むしろ、原作よりも映像に厚みが

あります。特に少女ギャング団の描写は、カッコいい!小説を読んだだけでは

こういうふうに脳内に描くのは到底無理と言い切れるほどで、ちょっと、

あこがれてしまうような存在なのです。小説の中では、男をSNSで

おびき出して集団で暴行を加えて金銭を強奪する薄汚いイメージによって、

スーパーのタイムセールのように半額シールを貼られちゃったかな。

小説に書かれていることは95%以上、映画の中で描かれていて

映画で描かれた肉食動物が集団で餌を狩るシーンと同じ迫力の

少女ギャング団の描写が小説では、トムソンガゼルの群れが

車の前を全速力で横切るだけのような描写なので、迫力というものが

決定的に欠如しているのです。

ん?この感じは、そう!これは、原作ではなく単に「アズミ・ハルコは

行方不明」という映画のノベライズでしかないのかという、がっかり感でした。

でもそれは、映画では描写されなかった女性としての生きづらさを

止揚するのかといったテーマに、小説では、どのように肉薄するのか

といった無い物ねだりが生んだ、がっかり感かも知れず、元々、

映画の中にも、それは存在しなかったということだったかも

知れません。

SPRING BREAKERS (2012) と Girls (1980)

アズミ・ハルコは行方不明(小説)のエピローグで少女ギャング団の女子高生が

さびれた商店街の映画館を満員御礼にして観る映画が、SPRING BREAKERS (2012) です。

少女ギャング団が観た映画ということで、この映画を知り、この映画を観ました。

<allcinema> の解説は、以下のとおり。

ラリー・クラーク監督作「KIDS/キッズ」の脚本で鮮烈的なデビューを飾った「ガンモ」
「ミスター・ロンリー」のハーモニー・コリン監督が、人気アイドル女優たちを起用し、
非日常の刺激を求めて犯罪の世界に足を踏み入れていく女子大生4人組の危険な春休みの行方を
セクシー&ポップに活写した青春クライム・ムービー。出演はディズニー作品出身の
ヴァネッサ・ハジェンズとセレーナ・ゴメス、TV「プリティ・リトル・ライアーズ」の
アシュレイ・ベンソン、監督の妻でもある「ミスター・ロンリー」のレイチェル・コリン。
彼女たちが出会う謎の男エイリアンに「127時間」のジェームズ・フランコ。
退屈な日常にうんざりしているフェイス、キャンディ、ブリット、コティの仲良し女子大生
4人組。誰もが浮かれるスプリング・ブレイクがやって来るというのに、お金がなくて遊びに
行くこともできない。ならばと4人は、ゲーム感覚で深夜のダイナーを襲撃、まんまと大金を
手に入れる。こうして念願のフロリダ旅行に繰り出した4人。降り注ぐ太陽と美しいビーチに
テンションも上がりまくりで、パーティ三昧の日々を満喫する。ところがハメを外しすぎて、
ついに警察の厄介に。そんな窮地を、見るからに怪しげなドラッグ・ディーラー、エイリアンに
救われる4人だったが…。

…… ↑↑↑ の解説で、あらかじめイメージすると見誤ります。とは言っても私なりに解説すれば、

<allcinema> よりもはるかにひどい誤誘導をしてしまいかねません。

この映画のラストで、キル・ビルや高倉健を私が連想したのは確かですが、そのことから

何かを伝えることができるわけでもありません。この作品は、おそらく、映画の形状をした

アートなので、言葉に置き換えて伝えると作品価値を損なってしまいかねないという危惧が

筆の運びを重くしているのかなあと思えたりします。

この膠着状態を打破するために、同じく4人の若いコを軸とした映画である Girls (1980) を

先に紹介します。<allcinema> の解説は、以下のとおり。

4人の少女を主人公にした青春映画。物語は、現代のパリを舞台に4人の少女たちの様々な恋愛を
通し、彼女たちの友情やその成長を繊細なタッチで描いてゆくというもの。「エマニエル夫人」で
日本でもセンセーショナルを巻き起こした、ジュスト・ジャカン監督が、少女の世界を舞台に
描いたちょっぴりほろ苦い青春映画の佳作。

<allcinema> を丸ごとコピペしないで、自分なりに書けと言われそうなので、プロットは

自前で書きます。

4人の少女の内訳は、遊び仲間の3人組と、その中のひとりの妹を合わせて4人です。

姉たちのマネをしたわけでもないのでしょうが、ちょっと背伸びした恋をした妹は、

妊娠してしまいます。責任を取ろうとしない相手に対して職を失うような仕返しをしたあと、

3人は中絶のための資金を集めるためにある作戦を実行します。作戦の失敗により

3人組の中の一人が3人の男によってレイプされてしまいます。つまり、「ちょっぴり

ほろ苦い」では済まない悲惨な体験をしてしまうわけですが、彼女たちは、

彼女たちの方法で、ふたつの体験を乗り越えたことを示して映画は終わります。

SPRING BREAKERS の4人も、Girls の4人も、遵法精神に富むとは言いがたいのですが、

逸脱の度合いにプロとアマくらいの歴然とした差があります。しかし、その逸脱の

結果、受けた被害が、SPRING BREAKERS は、一人が腕に銃創ひとつ。Girls は、中絶と

輪姦。銃創ひとつへの復讐が皆殺しで、輪姦への復讐は、果たしてなし得るのかどうか…… 。

SPRING BREAKERS を観ていて連想した、もうひとつの映画が イージー・ライダーですが、

イージー・ライダー は殺され、SPRING BREAKERS は皆殺しにしたあと、ランボルギーニで

次の旅に向かう。ユーザーレビューこそ、賛否両論といった様相を示しますが、

興行的には大成功。BBCの21世紀の最高の映画100 の 74 位。多くの映画評論家から

好意的なレビューを受け、多くの賞にノミネートされ、いくつもの受賞を果たしました。

一方、Girls は、注目の度合いも低く論争を引き越すこともなかったようですが、

あの「エマニエル夫人 (1974)」を世に送り出した確かな力を感じずにいられない

作品で、途中では、いろいろ、突っ込みを入れたくなっても、あのラストシーンに

たどり着けただけでも観る価値のある作品だったと思えました。

私は、かねがね思っているのですが、秀でた映画は言葉がわからなくても心に

響いてきます。その意味で言うと、SPRING BREAKERS も、Girls も、

日本語字幕がなくても、十分に没入できます。セリフやナレーションがないと

伝えることができないなら、それは、映画ではなく小説や演劇といった

他の手段を使ったほうが効率が良いということになりませんか?

(あ。だからなのかな?邦画を観ると、どうしてもセリフやナレーションが

耳から入ってきてしまうので、ついつい、せっかく本来の映画力を使った

シーンを見逃すってことがあるのかも知れない。「セリフが聞き取れない」

なんて、イライラするのは、間違った態度?)

圧倒的な映像力の SPRING BREAKERS との出会いを導いてくれただけでも、

アズミ・ハルコは行方不明(小説)に、感謝!感謝!