算数とか国語とか社会や理科などの教科は簡単だった。
図画や工作は、ちょっと時間がかかる。明日やろう。
問題は自由研究。当時も、これには悩まされた。
「自由」などというものは子供には与えられていなくて
親や先生の目を盗んで、それらしいことをしても監視の目を
くぐってる時点で、それは不自由なのだ。
パソコン部屋に入って検索してみる。
OLYMPUS が「自然科学観察コンクール」(通称:シゼコン)を
昭和35年から続けていて過去の入賞作品のアーカイブもある。
ただし、2000年以降のものだけだ。そのまま、パクっても
盗作がバレることはなさそうだが、とりあえず、小学校4年生の
作品を検索してみた。その中に、「目もり式体重計のしくみに
ついての研究」というものがあった。家にある体重計や台ばかりを
分解して仕組みを研究したというものだ。うむ。これなら
かったるい観察を何日も続けたり、野山を歩き回って採集したり
しなくても済む。まんまでもいいのだが、体重計をバラして元に
戻らなくなったら母親の機嫌が悪くなるだろう。何かないかな。
それに、元祖体重計の研究家が、万一、僕のせいで盗作疑惑に
巻き込まれでもしたらかわいそうだ。
そうだ。モーターにしよう。当時、男の子にとってマブチモーターは
夢を実現する魔法の小道具だった。それに、モーターは下手に
分解すると元通りに組み立てることができないので、分解さえも
必要ない。家にある百科事典で関連する事項を調べて終わりだろうと
思ったら、平凡社の国民百科事典は1966年4月の第36刷版を
購入していた。残念、これは使えない。図書館まで出かけなければ
ならないだろう。直流モーター、交流モーターと調べていって、
三相交流モーターにたどりつき、三相交流とはどういうものなのかを
調べれば小学校4年生の自由研究としては上出来のはずだ。
もちろん、上出来である必要はなくて宿題をしたと認められれば
それでいいのだが。
ところで、なぜ、我が家の百科事典が1966年4月以降に
購入したものだったかがわかったかというと、その百科事典全七巻は、
パソコン部屋に保管されているのだ。他に日本の野生植物図鑑五巻もある。
これは、1989年以降のもの。
パソコン部屋は、もともと、書庫でもあったのだ。