整理と整頓

By | 2014年3月5日

たいていの人は子供の頃、母親から「お片付けしなさいっ」と叱られて

育って、お片付け嫌いになっていくのではないだろうかと思うのですが、

片付けるのが趣味みたいな人もいて、「お片付けしなさいっ」と叱られ

なかったのだろうか?それとも「はい。お母さま」と、ニッコリお片付け

できてたのだろうかとか、いろいろ、考えます。

お片付け自体よりも、今、遊んでいることを中断ではなく、シャットダウン

しなければならないことへの憂鬱というのも含んでの、お片付け嫌い

のような気がしないでもありません。

今は、コクピットが遊び部屋なので、「ごはんよー」とか、「お風呂の

支度して~」とかの声に対しても、何も片付ける必要もなく中断すれば

良いだけなので、そういう憂鬱から解放されただけでも、大人になった

甲斐があるというものです。

 

おそらく、中学生の頃だったと思うのですが、整理と整頓は、水と油ぐらい

違うと言うことを教えられ、ますます、お片付け嫌いに拍車がかかったような

気がします。人生には、いくつか、その後の生き方を決定づけるような

知識とか人とか、いろんなものとの出会いがあるのですが、整理と整頓とは、

まったく異質なものだという知識との出会いも、そうした人生の節目のひとつ

だったようです。

そのとき、教えられたのは、整頓された本棚と整理された本棚との違いです。

↑↑↑は、整頓された本棚。これを整理すると、

というふうになるかも知れません。整理された本棚では、日本十進分類法に

従って、0 総記、1 哲学・宗教、2 歴史・地理、3 社会科学…という順番に

並べられてたりします。つまり、整頓では、外形的特徴、つまり、本の高さとか

幅とか、背表紙の色などを基準として並べられるのに対して、整理された

本棚は、本の内容を一定の分類法に従い、順番付けて並べられている

ということです。この違いは、最初、小学校の図書館などで、「読んだ本は、

勝手に片付けてはいけません。本棚ではなく必ず所定の場所に返却して

司書の先生に片付けてもらいなさい」と教わって、カルチャーショックを

受けたりするわけですが、あれですよね。

最近では、断捨離だの収納術だので、整理を整理するという動詞と混同して

整理と整頓の違いは捨てるという行為があるかどうかだなどと説く人が

いますが、違います。私は、本は捨てない世代の人間ですから。

とは、言っても、古いビジネス本だの、パソコン関連の本など、記念物としての

価値ぐらいしかない本については、捨てなきゃとか思っているのですよ。

ホントに。

で、以上のような刷り込みにより、整頓というものを、ちょっと見下すような

ところができました。つまり、見てくれ外観だけに囚われて、物の本質を

見ないという象徴のような…。それ以前に、整理と整頓の区別もできない

なんて、どれだけアホなのか…と、人を見下したり…。

しかし、時代は巡って、ゴミ屋敷なるものが出現したり、終活の一環として

不要物を死んだ後に残さないようにしましょうってなったり、絵を描く場所も

確保できないほど不要物に囲まれた生活ってどうよという反省も出たりで、

そろそろ、そのあたりの考え方を含めて、整理と整頓について再構築

すべき時が来たのかなあと思わないでもありません。

2 thoughts on “整理と整頓

  1. まのじ

    実に楽しい話題ですわ〜♪
    片付けるのが趣味みたいな人は、そもそも
    「お片づけなさい。」なんて言われないもの。
    むしろ「お母様、これは捨ててもよくって?」と
    あれこれ指差し確認してるような気がする。

    教室に、なつかしき「整理整頓」と書かれた紙が
    貼ってあったのは、どちらも必要だからなのですね。
    でもさ、整理と整頓、必ずしも対立するものではなく
    必死で知恵を絞れば、うまく両立する輝かしい結果も
    ありうるのです!
    特に、家の書籍程度は、分類法そのものを勝手に閣議で
    改変すれば良いのぢゃ。
    どうっしても、両立しない時は、ワタクシ躊躇なく、
    断固、アホを選びます!

    Reply
  2. 何処吹く風 Post author

     なるほど。これを言うと嫌みに思われかねませんが、子供の頃から、
     ずっと、親に「勉強しろ」」と言われたことがないんですね。とにかく、
     小学校の頃には、学校以外で勉強と言えば、夏休み、冬休みの友を
     それも、新学期が始まる直前にやったくらいです。宿題は、まあまあ、
     やってたのかな?あまり、記憶にありません。
     中学になると、さすがに中間期末テストの前には、いくらか勉強しました。
     実力テストは「いまさら、勉強しても間に合わない」ので勉強しなくて
     済むから好きでした。宿題は、やっていくと、朝、「写させろ」と言って
     くるのがいたので、それがイヤで、やらずに行きました。
     そんな調子で、高校3年の秋くらいまでは、自宅で予習復習なんて、
     やったことがなく、塾にも通ってもいません。基本、学校の授業を聞くのが
     小中高の「勉強」でした。

     でも、高三の二学期の中間テストだったと思いますが、一学年に三百四十人
     くらいしかいないのに、一学期の時の順位から、一挙に二百数十番落ちて、
     ひぇ~ってなって、Z会に入ったりして、受験勉強を始めました。おかげで
     期末では、二百人くらい抜き返して、受験まで、その調子で上昇する予定で
     受けた第一志望は、900点満点の2点足らずで不合格。同級生は、惜しかったねー
     などと、なぐさめてくれましたが、本人は、実はホッとしてました。たぶん、
     先生を含めた周囲から身の程知らずの大学を受けたと思われてると感じてたので、
     一応、合格の可能性もあったと思ってもらえるだろうと考えたのです。
     オリンピックで、入賞さえ無理だろうと周囲に思われながら「メダルを取る!」
     なんて宣言して、結果は4位だったというような気分ってところでしょうか。

     あ、そうそう、整理整頓でした。あのカオスなコクピットですが、唯一、
     本棚だけは、整然としてたと思いません? 実はアレ、整理と整頓の両立を
     目指しているのです。まず、小説と、それ以外に分けて、スペース的には、
     小説が5/8を占めるので、その小説をハードカバー本と、文庫本に
     分けました。で、翻訳物の文庫本を著者名順に並べ、続いて日本人の文庫本を
     同じく著者名順に並べました。ハードカバー本も同様に、日本人著者と
     翻訳物を著者順に並べました。新書版の文庫本が、時に飛び出ていますが、
     同じ著者のものは、全部新書版だったりするので、全体的には整然とします。

     でも、これは、あるときまでは良かったのですが、だんだんと本を買い足して
     いくものですから、あ行とか、か行の著者だと、後ろへ後ろへと百数十冊を
     順送りにしなければならないのです。そして、ついに、本棚のどこにも、
     一冊も本が入らないという状態に、今は、なってます。で、別の本棚を
     増設して、新しく買った本は、そちらに、超整理法で格納してます。

    Reply

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