アズミ・ハルコは行方不明 (2016)

By | 2019年10月30日

映画の冒頭で混乱します。しかし、時間差のある二つの時系列に沿った

二つの物語がパラレルに進行しているんだとわかれば、映像を追うのが

ぐっと楽になります。主役は、蒼井優の『百万円と苦虫女』以来の

単独主演となっていますが、高畑充希主演の映画という見方をすれば、そのストーリーに

出てくる「ハルコ MISSING」の画像についての説明部分が 蒼井優演じるストーリーと

見えなくもない?まあ、無理か。でも、ハルコよりも、アイナのほうが哀しみは深く、

より古典的な女性のステレオタイプと言えなくもない?要は、ハルコのストーリーと

アイナのストーリーと女子高生ギャングのストーリーがあって、これらをもし時系列順に

描けば、女子高生ギャングだけが荒唐無稽の存在になって物語の全体を壊しかねないので

あえて、時系列と三つのストーリーを切り貼りすることを選んだのか?というふうにも

考えました。そう考えれば、三つのピースによるジグソーパズルということになり、

さほど組み立てが困難というわけでもないのですが、よく聞き取れないボソボソとした

セリフと時間差混在による混乱を解くためには、何度か巻き戻ししたり音量を上げて

二度聞いたりという作業が必要だったので、つくづく、この映画を劇場で観なくて

良かったと思ったのでした。同時に、そのあたりのことを原作ではどうなって

いるんだ?という疑問もわき起こったので、Amazon でポチりました。

でもまあ、もう少し、そういった不満の発生を抑える撮り方もあったとは思うし、

そうすれば、この映画のテーマである若い女性の生きにくさに対して、どう対処するのが

ベストなのかという問いが、もっとずっとハッキリと鑑賞者に伝わり、その重さに

共感できる人が多ければ、作品の評価も、もっと高いものになったのではないかと

ちょっぴり残念なので、うだうだ書き連ねているわけです。だって、このストーリー

なのに、蒼井優と高畑充希だけじゃなく、誰も脱がずに撮り終えたということだけ

見ても、この映画の監督は、タダモノではないですよ。

それと、この映画の主題をそのまま、男性に置き換えて映画を作ったら

果たして、蒼井優や高畑充希や花影香音のような魅力ある登場人物として

描きうるかというと、とても無理!ってことになると思うんです。

しかし、最後の最後で見間違いを犯してしまいました。蒼井優が抱いてる

女の子をハルコの子と思ってしまったのですが、今井エリの子なんですってね。

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