町内会 (03)

By | 2022年3月20日

町内会を支える「人」の問題が行き詰まったら、町内会を解散すればいいという

議論が現役員からも出ています。 「町内会に入ることのメリットは?」の 問いかけは、

町内会役員の中にもあるのです。町内会役員の任期が、20年~40年にも及んで

いるということは、町内会を継続していくための後継者の育成に同じだけの期間、

失敗し続けているということです。この課題については、この記事の後半で再び

取り上げることにして、コロナ禍が町内会に与えた影響について触れます。

感染予防のために集会を開くことが困難になったのが2年前の3月頃で、ちょうど

毎年4月の町内会総会開催時期直前というタイミングでした。やむなく、公会堂に

集まる総会ではなく、書面による総会を開催しました。

この年は、資源ゴミの収集に町内会としてどのように関わるかという重要な議題が

ありました。実際の議案を引用します。

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長年、行ってきた資源ゴミ回収当番ですが、2020年4月の当番を最後に
無期休止としたいと思います。昨年10月をもって資源ゴミ回収業者が
契約解除をしたいと申し出てきたことで、回収による収入がゼロになったことが
きっかけですが、高齢化により、今後、ますます、資源ゴミ当番を組むのが
困難になっていくことも予想され、資源ゴミ回収当番の意義は理解できる
ものの、市の施策が今後変化しない限り、やむを得ないという判断に
至りました。総会においても承認されれば、今後は古紙、古布、ペットボトルのみの
収集となります。ビン・缶などは、公民館やスーパーなど収集している場所に
出すか、少量なら埋め立てゴミに出していただくことになります。

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今、読み直してみると ↑↑↑ の文章を読んで何が問題であるかを正しく

理解して判断することは至難のワザですね。しかし、ちゃんと理解して

反対意見をよこしてくださった方がいらっしゃいました。

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ビン・缶の回収がなくなり公民館・スーパーにもって行くのも
高齢者の方には困難があるように思います。
個人的には当番ができる人だけでもつづけて協力しあえば
高齢者の方も助かるのではと考えたのですが無理でしょうか.

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記名してのご意見だったので、お返事を書くことができました。例によって

長文です。

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数年前に比べると、資源化ゴミの回収量は、四分の一ほどまでに減ってきていました。
原因を調べてみると、国道△△号より南半分にお住まいの高齢者方の中は、ご指摘どおり
収集場所まで持っていくことがおっくうで、埋め立てゴミとして出しているケースが多く
なっていました。また、新聞やダーボールも含まれますが、玄関先に出しておくと業者が
回収してくれるサービスの利用も全区域で増えてきました。民間の古紙回収ボックスの
利用も増加していますね。

2018年に公園の清掃を取りやめました(隣町の○○町にお願いした)
今回、資源化ゴミ当番まで取りやめてしまったら、隣近所の人が協力して何かをやるという
ことをさらに減らすことになり、近所同士の結びつきを弱めることになる……そのことが
もっとも憂慮される点でした。一方、極寒のときにも酷暑のときにも当番はあるわけで、
一年に何回も当番するのは勘弁して欲しいというのも正直なところでしょう。
そのような背景から、年に11班(6や12で割り切れる数字だと、いつも暑いときとか
寒い時に当番になってしまう班ができるので、それを避けた)が持ち回りで当番に
あたることにしていました。しかし、高齢化で当番をこなすことが出来る人は減る一方で
班の編制は、実質3~4人の体制になってきていました。人数が少なくなると、
班の中に勝手な人や強引な人など、いわゆる困ったさんが、ひとりでもいると
せっかく、11ヶ月に一度とはいえ、ご近所同士の交流も兼ねた当番が、いがみ合う
元にもなりかねないという事態も出てきていました。班の構成員の数が減れば減るほど
困ったさんが目立つんですね。
岡山市の山上新最終処分場も、分別がきちんとできていなければ、それだけ早く満杯に
なって寿命を迎えます。それも含めてゴミ回収コストをさげるためには分別をしていくしか
ないことは、埋め立てゴミを手で分別する作業など岡山市が行っていることを
知っているだけに今回の議案提出は、苦渋の決断でした。
もうひとつの大きな要因として古紙を含む資源化ゴミの価格下落が大きな要因に
なっています。昨年の古紙下落に引き続き、今年になって、古紙問屋が回収業者から
仕入れる古紙買取り値段ボール 5円/Kg と、2006年10月以来の安値をつけています。
さらに、コロナ騒ぎで中国の爆買いも当分の間、期待できません。行政が何らかの
施策を発動しない限り、低迷する古紙価格は、回収業者の回収費用すら賄えない
危険数値になってしまっていることが、真の背景であると言えます。

最後になりましたが、ご意見、ありがとうございました。それなのに、グダグダと
回答にもならない回答を書き連ねてしまって、申し訳ありません。でも、本当に
ご意見をいただくというのは、ありがたいのです。今回、初めての書面議決を
とらせていただきましたが、ご意見らしいご意見は非常に少なく、つらい思いを
しています。ご意見をいただけないということは何も期待してないということですからね。
いえいえ、愚痴を言ってはいけません。ありがとうございました。

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もう一通、この議案とは別のことでご意見をいただきましたが、そちらにも

文書で回答をしておきました。SDGsに逆行するような判断ですが、上の回答にも

あるように、町内会に押しつけておけば、それで対策済みとして次の手を打って

来ない岡山市に対する抗議の気持ちが強いんですよ。といっても、ウクライナの

国旗同様、この抗議が届くというものでもないんですけどね。

ところで、書面総会をすれば、このようなご意見をいただけるという効用があることは

うれしい発見でした。それに、公会堂で総会を開催した場合、実際に出席して

くださる会員の数は役員を差し引くと全世帯数の10%程度となることが通例です。

40%くらいの世帯は委任状を出していただけるので、形式的には60%くらいの方が

議決してくださっていることになりますが、役員を入れても20%足らずの人で

決定していくのは、ちょっと危うい感じがあります。

ところが、書面総会だと80%前後の方が議決書を提出してくださるので、重要議案に

ついては、書面総会のほうが民意の反映度が高そうに感じます。それに、公会堂での

総会の場合は議案を提示されたその場で質問したり意見を述べたりしなければ

なりませんが、書面の場合は、じっくりと考えることができるし必要なら関連する

情報をネットなどで集めることもできます。

そのような気づきから、昨年の書面総会でも5年間の町内会費長期前払いを募集したい

という重要な議案を可決することができました。

そして、今年の書面総会では、

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毎月一回、岡山市や、その他団体から届く市民の広場などの
印刷物を受け取って仕分けして他の組の幹事さんや、担当する組の
班長さんに渡していただくという岡山市連絡担当員業務を町内会
会員の方に一年交替で担っていただきます。

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これまで役員が担ってきた業務を交代で行ってもらうという議案を提出します。

さらに、交代で行うよりも、ボランティア参加していただくほうが適している

業務については希望者を募集していきますよという議案も提出しました。

実際には、人に頼むよりも自分でやったほうがラクだし、確実だし、確認の必要も

なくていいのですが、町内会業務を伝承していくことと町内会は何をやっているかを

広報していくことが未来の町内会のリーダーを生み出すための遠回りなようであって

実は近道なんじゃないかと思い始めています。

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