私のナビで、きちんと針江生水の郷を目的地として指し示すことに失敗したため、とにかく
針江地区という名称の地を目指して進み、すぐ近くまで到着した時点でスマホの情報などを
使って目的地に達そうとしました。しかし、近くの温泉付別荘地に迷い込んでしまって
二進も三進もいかなくなってしまったため、やっと見かけた別荘地の住人の方に道を
教えてもらって、やっと到着したのが、10:00 直前でした。案内の申込所に飛び入りで
10:00 スタートの案内をお願いできるかどうかを聞いたところ受け付けていただけることに
なったので、続けて車を置くところを尋ねると受付場所から300mほどの距離がある
グランドの駐車場を指示されました。さっそく、車に飛び乗って駐車場に車を置き、
ダッシュで受付場所まで折り返しましたが息があがって大変でした。結局、5分遅れで
受け付けてもらって、すぐ近くで案内人の説明を聞いていた一行に追いつくことが
できました。
針江では、綺麗な湧き水を生水(しょうず)と呼んで昔から大切に利用してきました。
集落の中を巡る水路やその水を生活用水に利用したシステムを"かばた"(川端)と呼んでいます。
↑↑↑ 実際の壺池部分です。壺池からあふれた水は同じく家庭内の端池に流れ込み
この端池で各家庭では鯉を飼っています。この鯉は、かつて、ハレの日のごちそうになったり
飢饉のときには、最後の命の綱になったりしていましたが現代では食用にすることなく
一種のペットとして飼っているので、どんどん大きくなって1mを超えそうな鯉が
ゆうゆうと泳いでいたりします。
自噴した湧き水はポンプで家庭内の台所に繋いでいて生活水として使っています。
各家庭で使った水は地区内を流れる水路ではなく整備された下水に流します。
壺池ではスイカを冷やしたり野菜を洗ったりします。
生活水は自噴水だけで足りるのですが各戸には上水道も引いてあります。洗車などには
水道水を使うかなあという話でした。
地区内を流れる水路の水はきれいで名前を知らない川藻と並んで梅花藻も見られます。
水路には、コイ、フナ、ヨシノボリ、カワニナ、沢ガニ、川エビが住み着いており、
琵琶湖からニゴイ・アユ・ハヤ・ビワマスが遡上してきます。
水路の護岸には川魚たちの休息場所としてブロックで横穴が設けられています。
水路を利用して水力発電も行われています。この電気を利用して風情ある常夜灯を
灯しているのですが、実は、この常夜灯には、もうひとつの役割があって下水路への
空気取り入れ口になっています。無粋な空気取り入れ口を粋な常夜灯に変身させるとは
なかなかやりますね。
曹洞宗正伝寺の川端。
菊の御紋の使用を許された由緒正しいお寺だそうです。
一年中、温度が変わらない水なので山葵も育てることができるようです。
他の見学者達とも、ワイワイガヤガヤ、楽しくおしゃべりしながらの生水の郷巡り。
案内の80歳のおばあさんは耳が達者で、そういう見学者のおしゃべりにも加わって
いろいろ説明もしてくれるし、さまざまな質問にも快く答えてくれて見学時間は
一時間半にも及びました。
他の二組の夫婦の方もグランド横の駐車場に駐めていたので、ジンちゃんをお披露目。
皆さんを見送ったあとは、ポカポカ陽気の中、リゾットと味噌汁でお昼ご飯をしました。